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最終更新日:2016/3/22

        

2016/07 モータータンパク質に対する光応答性阻害剤に関する論文が雑誌の表紙を飾りました。






    



これまでに当研究室では、モータータンパク質キネシンの自己阻害能を示すテール部の構造を模倣した11アミノ酸残基からなるペプチドと光異性化反応を示すアゾベンゼンを化学結合で繋いだ化合物を合成し、この化合物がキネシンの運動に対して可逆的に光応答する阻害剤となることを報告していた(K. R. Sunil Kumar, et al, ACS Nano, 2014, 8(5), 4157-4165)。今回、11アミノ酸残基のうち必須のアミノ酸とその配列を明らかにし、より優れた光応答性阻害剤を見出すべく、種々のペプチドアゾベンゼンを合成し、その構造―物性相関を調べた。その結果、7つの非常に重要なアミノ酸残基の配列が明らかになり、また、アゾベンゼン部位にメトキシ基を導入することで、物性が向上することが明らかになった。本研究は、生体で働くモータータンパク質を人工的な物質輸送材料として応用しようと考えた時に、如何に分子設計すればよいかについて指針を与える重要な成果である。本研究成果を模式的に表した絵は、本論文を掲載した英国王立化学会の雑誌”Organic & Biomolecular Chemistry”誌の表紙に使われた。

   
     

A. S. Amrutha, K. R. Sunil Kumar, K. Matsuo and N. Tamaoki "Structure-property relationships of photoresponsive inhibitors of the kinesin motor"
Org. Biomol. Chem., 2016, 14, 7202-7210

2014/10 新しい絶対不斉反応を見出しました。

自然界では、アミノ酸や糖のように鏡に映した形が元の形と重ならない構造を持った鏡像異性体のうち、一方が使われています。しかし、最初にどうやって一方の鏡像異性体が選ばれたのかは不明です。今回、EE-アゾベンゼン二量体という鏡像異性体を持たない化合物に円偏光を当てることで、鏡像異性体を持つEZ-アゾベンゼン二量体を、鏡像異性体比に偏りを持って作り出す新しい反応を見出し、その機構を明らかにしました。見出された物質と新しい"絶対不斉反応"は、自然界の"ホモキラリティー"達成の起源を説明する新しい分子機構の提案として興味が持たれます。
本成果は、NNNS chemistry blogで取り上げられ、解説されています。

   
     

K. Rijeesh, P. K. Hashim, S.-I. Noro, N. Tamaoki "Dynamic induction of enantiomeric excess from a prochiral azobenzene dimer under circularly polarized light"
Chem. Sci., 2014, DOI:10.1039/C4SC01993H

2014/03 生体分子機械の完全光制御に成功しました。


われわれのからだの中では、ナノメートルサイズの機械、いわゆる分子機械が活躍しています。その分子機械を生体外に取り出し、その働きを人の手で制御できれば、従来の固く嵩張る機械とは異なる "しなやかでコンパクトな機械" を、新たに人が利用できることにつながります。われわれは、生体由来の分子機械の一つであるキネシンに対して働く光応答性阻害剤を新たに合成し、それをキネシンに加えることで、キネシンの運動活性を好きなときに自由に光ON−OFF制御できることを見出しました。
この成果は、ナノテクノロジー関連web site “Nanowerk”でNanotechnology Spotlightsとして取り上げられました。

左の図は、キネシンの活動によって移動する微小管(チューブリンというタンパク質のチューブ状集合体)の運動が光スイッチされる様子の模式図。下の動画は、微小管の運動の様子を顕微鏡観察したもの。観察しながら紫外光または青色光を1秒間することでキネシンの活性をONまたはOFFにスイッチしている。

   

K. R. Sunil Kumar , Takashi Kamei , Tuyoshi Fukaminato , and Nobuyuki Tamaoki "Complete ON/OFF Photoswitching of the Motility of a Nanobiomolecular Machine"
ACS Nano, 2014, 8(5), 4157-4165

2012 本研究を中心にした解説記事が雑誌「化学」に掲載されました。

2011/12 中心不斉の動的制御に関する研究が、Nature Chemistry誌でresearch highlights(PDF)として取り上げられました。

2011/11 アミノ酸などの不斉要素である中心不斉を動的に発生させる新しい方法を提案しました。

     
   

アゾベンゼンを2つ置換したメタン誘導体を考案し、アゾベンゼン部位のトランス−シス光異性化反応によって、分子中の不斉中心の発生と消失が誘起されることを実証しました。自然界分子の鏡像異性体の起源の解明や3D表示などで重要な偏光制御材料の開発に寄与するものと期待されます。本成果は、ChemViews MagazineのNews欄に“Central Chirality by E/Z Photoisomerization”の表題で取り上げられました。

   

P. K. Hashim, Nobuyuki Tamaoki "Induction of Point Chirality by E/Z Photoisomerization"Angew. Chem. Int. Ed., 2011, 50, 11729-11730

     

フォトクロミック反応による液晶の制御に関する最近5年間の展開をまとめた総説が、Journal of Photochemistry and Photobiology CにおいてInvited Review Paper として出版されました。左は、本領域の内容を模式的に表す図。

 

   
     

Schematic representation showing that the combination of photochromic compounds, liquid crystals and the action of light produces various dynamic functions for molecular machines, optical memories, lasers, and light modulators.

Nobuyuki Tamaoki, Takashi Kamei "Reversible photo-regulation of the properties of liquid crystals doped with photochromic compounds"J. Photochem. Photobiol. C-Photochem. Rev., 2010, 11(2-3), 47-61

2010/03 光駆動分子機械に関する論文が最もアクセス数の多い論文に選ばれました。

我々が最近発表した光駆動分子機械に関する論文(Meethale C. Basheer, Yoshimi Oka, Manoj Mathews, Nobuyuki Tamaoki A Light-Controlled Molecular Brake with Complete ON-OFF Rotation [Full Paper] Chem.Eur.J., DOI:10.1002/chem.200902123(Early View))が、Chemistry-A European Journal誌の論文の中で「2010年2月の最もアクセス数が多かった論文の中の一つ」(Most accessed articles in 02/2010)に選ばれました。(URLはこちらから)

 

   
2009/6 JST 平成21年度シーズ発掘試験A(発掘型)に採択されました。

JST 平成21年度シーズ発掘試験A(発掘型)
「輝度向上フィルムを目指した光応答性キラル液晶の実用化開発」 研究代表者 玉置 信之(URLはこちら

 

     
2008/11 光応答性液晶の研究がNature誌webサイトで紹介されました
     
   

面不斉に基づく光応答性キラル添加剤の合成と液晶中での可逆的反射色変化に関する当研究室の研究がNature Asian Materialsで紹介、解説されました。

 

   
     

1. M.Mathews, N. Tamaoki, "Planar Chiral Azobenzenophanes as Chiroptic Switches for Photon Mode Reversible Reflection Color Control in Induced Chiral Nematic Liquid Crystals. J. Am. Chem. Soc. 130, 11409–11416 (2008).

2008/01 新規フォトクロミック化合物を販売開始
           

東京化成工業(株)は、当グループで開発しました新規フォトクロミック化合物2種(カタログ番号D3618, D3619)の試薬としての販売を開始しました。

本フォトクロミック化合物は1,8-ジアミノナフタレンから1段反応で合成され、スピロペリミジン骨格を有しています1。発色体が可視光域全体に広がっており調光材料として優れた特性を有しています。また、アミノ基を有するためさまざまな化学構造修飾が可能です。

 
         

1. R. Davis, N. Tamaoki, "Novel Photochromic Spiroheterocyclic Molecules via Oxidation of 1, 8- Diaminonaphthalene", Org. Lett., 2005, 7, 1461-1464.

2. R. Davis, N. Tamaoki, "Modulation of Unconventional Fluorescence of Novel Photochromic Perimidine Spirodimers", Chem. Eur. J., 2007, 13, 626-631.

 
 
2007/06 Advanced Functional Materials 誌の表紙を飾りました。
           
「アゾベンゼン含有オリゴペプチドの自己組織化の光制御」に関する論文がAdv. Funct. Mater.表紙を飾りました。
(Vol. 17, 2007)
Y. Matsuzawa, K. Ueki, M. Yoshida, N. Tamaoki, T. Nakamura, H. Sakai, M. Abe
"Assembly and Photoinduced Organization of Mono- and Oligopeptide Molecules Containing an Azobenzene Moiety"
Adv. Func. Mater., 2007, 17, 1507-1514

 

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